結論:催促は「確認 → 督促(新しい入金期限を日付で指定)→ 最終通告」の順に、給付の内容・受領した日・支払期日を書いて送るのが基本です。送る前に、支払期日そのものを確認します。支払期日は給付を受領した日から60日以内で定める必要があり、定めていなければ受領した日が支払期日とみなされます[1]。
取り決めた支払期日を過ぎても入金の連絡がない——そんなとき、「催促のメールを送りたいけれど、どんな文面にすればいいか分からない」「強く出すぎて関係を悪くしたくない」と迷う方は多いと思います。この記事では、督促メールを段階的に組み立てる考え方と、支払期日・督促状の文面をその場で自動計算できる無料ツールを紹介します。
督促メールを送る前に確認しておくこと
督促メールを送る前に、まず「そもそも支払期日はいつなのか」をはっきりさせておきましょう。フリーランス新法では、発注事業者が給付を受領した日から60日以内に支払期日を定めることが求められており、あらかじめ支払期日を定めていなかった場合は給付を受領した日が支払期日とみなされます[1](詳しいルールはこちらの記事で解説しています)。「まだ支払期日を過ぎていない」のに督促してしまうと角が立ちやすいため、最初に期日を確認することが大切です。
督促メールは段階を分けて送る
いきなり強い調子のメールを送ると関係がこじれやすいため、状況に応じて段階を分けるのが一般的な考え方です。
- 確認メール(軽め):「ご入金のお手続き状況はいかがでしょうか」など、事務的な確認のトーンで送る。行き違いの可能性もあるため、まずはここから。
- 督促メール(期限指定):支払期日を過ぎている事実と、新たな入金期限を具体的な日付で明記して送る。
- 最終通告:期限を再度過ぎても改善がない場合に、今後の対応(内容証明郵便の送付や相談窓口の利用検討など)に触れつつ送る。
どの段階でも、給付の内容・給付を受領した日・支払期日を具体的に書くことで、事実関係が伝わりやすくなります。
例文:確認メール・督促メール・電話
以下は一般的な文面の例です。【 】は自分の案件に合わせて書き換えてください。
1. 確認メール(軽め)
件名:【案件名】のご入金状況のご確認
お世話になっております。【氏名】です。【○月○日】にお納めした【案件名】の報酬【金額】円について、【○月○日】のお支払期日を過ぎておりますが、ご入金が確認できておりません。行き違いでしたら申し訳ございません。お手数ですが、お支払いの状況をご教示いただけますでしょうか。
2. 督促メール(期限を指定)
件名:【案件名】報酬のお支払いのお願い(【○月○日】期限)
先日ご連絡した【案件名】の報酬【金額】円(受領日【○月○日】、お支払期日【○月○日】)について、現在も入金を確認できておりません。恐れ入りますが、【○月○日】までにお支払いいただけますようお願いいたします。お支払いが難しい事情がございましたら、ご連絡ください。
3. 最終通告
【○月○日】を期限としてお願いしておりましたが、ご入金を確認できておりません。【○月○日】までにお支払いいただけない場合は、公的な相談窓口への相談や書面での請求など、次の対応を検討いたします。
電話で伝えるとき
「【氏名】です。【案件名】の報酬の件でお電話しました。お支払期日の【○月○日】を過ぎていて、入金を確認できていません。状況を教えていただけますか」と、事実と確認したいことだけを伝えます。話した日時と相手の回答は、あとでメールで「本日のお電話の内容を確認のため送ります」と残しておくと、記録になります。
よくある疑問
支払期日の何日後から催促してよいですか?
支払期日を過ぎた時点で確認メールを送って構いません。ただし、先に支払期日を正しく数えることが前提です。請求書の日付ではなく、給付を受領した日から数える点に注意してください[1]。
支払期日が契約書に書かれていないときは?
支払期日を定めなかった場合は、給付を受領した日が支払期日とみなされます[1]。詳しくは契約書に支払期日の記載がないときを参照してください。
メールを送っても払われないときは?
次の手段は督促しても払われないときで整理しています。
支払期日・督促状の文面を自動計算する
「うちの場合、支払期日は何日で、何日遅れているのか」を毎回自分で数えるのは手間がかかります。納品日と取り決めた支払期日を入力するだけで、フリーランス新法上の支払期日と現在の遅延日数を自動計算し、その場で督促状の文面も生成できる無料ツールを用意しました。
生成した文面はプレビューで内容を確認でき、透かしなしでの印刷・PDF保存は150円で解除できます。
それでも改善しないとき
督促メールを送っても支払いが確認できない場合は、やり取りの記録(発注内容・納品日・支払期日の取り決め)を残しつつ、内容証明郵便の送付や、フリーランス・トラブル110番、公正取引委員会・中小企業庁などの公的な相談窓口の利用を検討する段階になります。ここから先は個別の事情によって適切な対応が変わってくるため、専門家や公的窓口に相談することをおすすめします。厚生労働大臣への「申出」制度の使い方はこちらの記事で解説しています。
まとめ
支払い督促は、いきなり強く出るのではなく「確認 → 督促 → 最終通告」と段階を踏むことで、関係を保ちながら対応しやすくなります。まずは支払期日と遅延日数を正確に把握するところから始めてみてください。
出典(一次資料)
- 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(令和5年法律第25号)第4条(報酬の支払期日等) — e-Gov 法令検索
本文の説明は上記の条文を分かりやすく言い換えたものです。制度は改正されることがあるため、最終的な判断は原文をご確認ください(参照日: 2026-09-25)。