結論: 個人でも請求書の書式に法律上の決まりはありませんが、インボイス(適格請求書)を出す登録をしているなら、①登録番号 ②取引年月日 ③取引内容 ④税率ごとの合計額と税率 ⑤税率ごとの消費税額 ⑥相手の名称、の6項目が要ります[1]。登録していなければ、基本の項目(下記1)だけで足ります。
個人の請求書で迷いやすいのは次の3つです。このページはその順に答えます。
1. 個人の請求書に書く基本の項目
- 請求書番号・発行日
- 請求先(取引先)の名称
- 自分の氏名または屋号・住所(連絡先)
- 取引内容(品目・数量・単価がわかるように)
- 合計金額(消費税額を含む)
- 支払期限
- 振込先口座
2. インボイス登録をしている個人が追加する項目
適格請求書発行事業者として登録している場合、通常の請求書に加えて次の項目が必要です[1][2]。登録していない免税事業者のままであれば、これらの項目は不要ですが、取引先が仕入税額控除を受けられない可能性があるため、事前に取引先へ登録の有無を伝えておくとトラブルを避けやすくなります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録番号 | 「T」から始まる適格請求書発行事業者の登録番号 |
| 税率ごとの合計額 | 8%・10%の対象品目を区分して、それぞれの合計金額を記載 |
| 税率ごとの消費税額 | 税率ごとの消費税額を記載(合計額から一括計算する端数処理のルールがある) |
3. 支払期日の書き方(フリーランス法の60日ルール)
業務委託でフリーランス法の対象になる取引では、報酬の支払期日は、成果物などを受け取った日から数えて60日以内で、できる限り短く定めることとされています[3]。請求書の「お支払期限」には、契約で決めた期日を具体的な日付で書き、受領日から60日を超えていないかを見ておくと確認が楽です。日付で確かめたいときは請求書メーカー(取引年月日から支払期日までの日数を表示)や、詳しい解説の請求書の「支払期日」欄の決め方が使えます。なお、すべての取引が対象になるわけではないため、自分の取引が当てはまるかは条文でご確認ください。
4. 送付方法とやり取りで気をつけたいこと
PDFをメールで送る方法が一般的ですが、取引先によっては郵送や、取引先指定のシステムへのアップロードを求められることもあります。番号や金額の入力ミスは再発行の手間につながるため、テンプレートや請求書作成サービスを使い、番号の連番管理や税率区分の計算を自動化しておくと、件数が増えても手間が増えにくくなります。
5. 請求書を送ってから支払いが遅い・早く現金化したいとき
請求書を送っても、実際の入金は取引先の支払いサイト(月末締め翌月末払いなど)に従うため、数週間から1か月以上先になるのが一般的です。資金繰りの都合で先に現金化したい場合、請求書の買取(ファクタリング)サービスを使う選択肢もあります。
ファクタリングは手数料がかかるため、毎回使うと利益を圧迫します。急な支払いが必要なときの選択肢の一つとして考え、通常は支払期日どおりの入金を前提に資金繰りを組むのがおすすめです。支払期日そのものの考え方は、以下の記事でも解説しています。
まとめ
請求書メーカーで請求書を作る(無料・登録不要・印刷/PDF対応)
記載事項が揃っているかは適格請求書(インボイス)記載事項チェッカーで確認できます。
請求書は、基本の記載事項に加えて、インボイス制度に対応する場合は登録番号と税率ごとの金額区分が必要です。件数が増えるほど手作業では抜け漏れが起きやすいため、請求書作成サービスでテンプレート化しておくと安心です。契約前の見積書の書き方は個人事業主の見積書の書き方、開業直後の手続き全体はフリーランスとして独立するときにやること、確定申告に向けた書類の準備は個人事業主1年目の確定申告ガイド、案件が決まる前後の流れはフリーランスエンジニア・デザイナーの案件の探し方もあわせてご確認ください。
出典(一次資料)
- 消費税法(昭和63年法律第108号)第57条の4第1項(適格請求書の記載事項) — e-Gov 法令検索
- 国税庁「No.6625 適格請求書等の記載事項」 — 国税庁
- 特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス法、令和5年法律第25号)第4条(報酬の支払期日等) — e-Gov 法令検索
本文の説明は上記の条文・公的機関の案内を分かりやすく言い換えたものです。制度は改正されることがあるため、最終的な判断は原文をご確認ください(参照日: 2026-09-25)。