クラウドソーシングやSNSの募集ページを見て応募し、実際に仕事を始めてみたら「報酬額」「業務内容」「稼働期間」などが募集時の説明と違っていた――フリーランスとして働いていると、こうした食い違いに戸惑う場面があります。この記事では、フリーランス新法が発注事業者に求める「募集情報の的確表示」というルールの考え方と、条件が違うと感じたときにできることを解説します。
「募集情報の的確表示」義務とは
フリーランス新法では、特定業務委託事業者(フリーランスに業務委託をする発注事業者のうち一定の要件を満たす者)が広告等により募集情報を提供するときは、その内容を虚偽または誤解を招くような表示にしてはならず、正確かつ最新の内容に保つよう努めることとされています。募集ページに書かれた条件と、実際に締結される契約条件が大きく食い違っている場合、この的確表示のルールに関わる可能性があります。
よくある「募集内容と契約条件が違う」パターン
- 報酬額・単価が違う――募集ページでは「〇円〜」と幅のある表示だったのに、実際の提示額が想定より大きく下がっていた。
- 業務内容の範囲が違う――「軽微な修正作業」のはずが、実際には別の業務まで含めて依頼された。
- 稼働期間・頻度が違う――「単発」「月1回程度」と書かれていたのに、実際は継続的な稼働を前提とした内容だった。
- 募集ページ自体が古いままになっている――既に募集を締め切った・条件を変更したページがそのまま公開され続けている。
これらは表現の幅の範囲内(見込みの目安であることが明記されている等)であれば直ちに問題とは言えない場合もあるため、「違う」と感じたときは、まず募集ページのスクリーンショットや保存を取り、実際に提示された条件と何がどう違うのかを具体的に書き出しておくことが最初の一歩になります。
気づいたときにできること
- 募集ページを保存する――日付が分かる形でスクリーンショットを残しておくと、後から条件を照らし合わせやすくなります。
- 実際の契約条件を書面で確認し直す――口頭やチャットでのやり取りだけで進めず、業務内容・報酬額・支払期日・契約期間などをあらためて書面で明示してもらう、または自分でたたき台を作って発注事業者に確認を依頼します。
- 納得できない条件で契約を進めない――金額や業務範囲に納得できない場合、その場の空気で流されず、条件面のすり合わせが終わってから着手するかどうかを判断します。
取引条件明示書のたたき台を自分で作れる無料ツールを用意しています。募集時の内容と実際の依頼内容にずれを感じたときに、あらためて条件を書面で整理する目的で活用できます。
それでも改善しない場合の相談窓口
書面で条件を確認し直しても発注事業者が応じない、あるいは募集内容との食い違いが著しい場合は、一人で抱え込まず、フリーランス・トラブル110番や公正取引委員会・中小企業庁の相談窓口に相談することも選択肢になります。取引条件の明示そのものについては、以下の記事もあわせてご覧ください。
まとめ
募集ページと実際の契約条件が違うと感じたときは、感情的に反応する前に、まず募集内容の記録を残し、実際の条件を書面で確認し直すことが対応の第一歩です。無料ツールも活用しながら、納得できる形で条件を整理してから業務を進めてください。